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疲れが取れない看護師さんへ|2週間で生活と勤務を見直す回復プラン

2026年5月23日2026年5月24日 更新5分で読める
疲れが取れない看護師さんへ|2週間で生活と勤務を見直す回復プラン

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AI引用向け要約最終確認: 2026年5月24日

この記事の結論

夜勤・勤務間隔・睡眠の質という構造的な要因から「疲れが取れない」を読み解き、2週間で実践できる回復プランを公的ガイドラインをもとに具体化。

  • 「疲れが取れない」は、夜勤・勤務間隔の短さ・睡眠の質の低下という 構造的な問題 から生じることが多い。
  • 厚労省「睡眠ガイド2023」は成人の睡眠を6時間以上確保することと、時間だけでなく「 睡眠休養感 (寝て休んだ感覚)」を重視することを推奨している(HM1)。
  • 日本看護協会ガイドラインは 勤務間隔11時間以上・連続夜勤2回まで・正循環 を勤務編成の目安として示している(HM2)。
  • 勤務間インターバル制度は2019年4月から事業主の 努力義務 。自分の職場で導入されているか確認できる(HM9)。
  • 疲れや気持ちのつらさが続くときは、産業医・かかりつけ医・ こころの耳(0120-565-455) に相談することが大切。

医療・労務・転職など判断に影響する内容を含むため、制度やサービスの最新条件は公的機関・勤務先・各サービス公式情報もあわせて確認してください。

「疲れが取れない」と感じているなら、それは甘えではなく、夜勤・勤務間隔の短さ・睡眠の質という構造的な問題のサインです。この記事では「①自分の状態を記録して可視化する→②睡眠と休養の質を整える→③勤務表と職場環境を確認・相談する」の3ステップを2週間に落とし込み、回復に向かうための具体プランを、厚生労働省・日本看護協会のガイドラインをもとに解説します。

要点まとめ

  • 「疲れが取れない」は、夜勤・勤務間隔の短さ・睡眠の質の低下という構造的な問題から生じることが多い。
  • 厚労省「睡眠ガイド2023」は成人の睡眠を6時間以上確保することと、時間だけでなく「睡眠休養感(寝て休んだ感覚)」を重視することを推奨している(HM1)。
  • 日本看護協会ガイドラインは勤務間隔11時間以上・連続夜勤2回まで・正循環を勤務編成の目安として示している(HM2)。
  • 勤務間インターバル制度は2019年4月から事業主の努力義務。自分の職場で導入されているか確認できる(HM9)。
  • 疲れや気持ちのつらさが続くときは、産業医・かかりつけ医・こころの耳(0120-565-455)に相談することが大切。

こんな悩みを持つ看護師さんへ

  • 明けで帰っても眠れない、眠っても疲れが残る
  • 休みの日を寝て過ごしているのに翌日の仕事がきつい
  • 夜勤明けと夜勤前が連続して、体が追いつかない感じがする
  • 「最近、何をしていても楽しくない」「患者さんへの気持ちが薄れてきた」と感じる
  • 「こんなに疲れるのは自分が弱いからだ」と責めてしまっている
  • 体力的な限界ではなく、漠然とした重さ・だるさが取れない

こうした状態は、努力不足ではなく、夜勤・不規則な勤務・睡眠不足が重なった生体リズムへの累積負荷であることがほとんどです。「もっと頑張れば何とかなる」という方向ではなく、仕組みを変える視点で考えましょう。

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疲れが取れないのはなぜ起きるのか

看護師の疲労が慢性化しやすい構造的な背景

夜勤・交代制勤務は、体内時計(概日リズム)に対して大きな負荷をかけます。厚労省e-ヘルスネットによると、光は体内時計を24時間周期に合わせる最も強力な同調因子であり、夜間に高照度の環境で働き、日中に睡眠を取る交代勤務者はこのリズムが慢性的にずれやすい状態に置かれます(HM8)。

さらに、勤務と勤務の間の時間が短ければ、睡眠時間そのものが削られます。日本看護協会「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン(2013年)」は、勤務間隔は11時間以上確保することが望ましいと明記しています(HM2)。仮に夜勤明けが午前8時30分に終わり、翌日の日勤が午前8時45分に始まるなら、インターバルはわずか約24時間のように見えても、移動・食事・入浴の時間を引くと睡眠に使える時間は大幅に限られます。

日本看護協会の2024年病院看護実態調査(2025年公表)によると、2023年度の正規雇用看護職員の離職率は11.3%(新卒8.8%・既卒16.1%)でした(HM10)。また、2025年実態調査では、看護職として「働き続けたい意向が62.9%」である一方、働き続けるために重要なこととして「休みのとりやすさ(49.6%)」が賃金(53.6%)に次いで上位に挙がっています(HM10)。これは多くの看護師が職場そのものへの意欲を持ちながら、休養の取りづらさが継続の壁になっている実態を示しています。

疲れを深刻化させる3つのサイクル

1. 睡眠時間の短縮と睡眠休養感の低下

厚労省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、成人は6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保することを推奨しています。ただし必要量には個人差があり、「時間だけでなく、睡眠休養感(寝て休んだ感覚)が健康と関連する」と整理されています(HM1)。夜勤後に帰宅しても日中の光・騒音・生活音で眠りが浅くなり、時間は取れても休養感が得られない状態が続くと疲労は蓄積していきます。

2. 勤務間隔の短さと体の回復不足

日本看護協会ガイドラインは、連続する夜勤は2回まで(2交代の夜勤、3交代の準夜・深夜の連続)が望ましいとしています(HM2)。2交代夜勤が3回、4回と続く、あるいは準夜→深夜→日勤のような逆循環(深夜から日中へ急に戻る)が重なると、体が回復する前に次の勤務が始まるサイクルに入ります。

3. 休日を「回復」ではなく「やり過ごす」に使ってしまう

明けや休みを丸一日寝て過ごすことで、その日の疲れは和らいでも翌日の勤務に備えた「前向きな休養」になりにくい状態があります。これは根性の問題ではなく、睡眠負債や概日リズムの乱れが積み重なった結果として起きやすいことです。

気持ちの変化にも注意が必要

WHO(世界保健機関)は、うまく管理されなかった慢性的な職場ストレスによって生じる状態として、①消耗感・エネルギーの枯渇、②仕事への心理的距離の増大・冷笑的な気持ち、③職務効力感の低下という3つの側面を示しています(HM7)。これはあくまで職業上の現象として整理されているものであり、「この記事で読者を診断する」ものではありません。「最近、患者さんへの気持ちが薄れてきた」「仕事をやり終えても達成感がない」という感覚が続くなら、疲労が深まっているサインとして受け止め、産業医や医療機関への相談を検討してください。

回復に向かう2週間プラン

2週間を「Week1:記録して可視化する・睡眠の土台を整える」「Week2:行動を少し変え、職場を確認する」の2段階に分けます。大きく変えようとするより、小さく確認・変えることから始めるのが継続のポイントです。

Week1(1〜7日目):自分の状態を記録しながら、睡眠の土台を整える

#### STEP 1. 「疲れノート」をつける(5分/日)

変えるためには、まず今の状態を「見える化」することが先です。手書きのメモ・スマートフォンのメモアプリどちらでも構いません。毎日、以下の4項目だけ記録してください。

  • 前日の勤務終了時刻と今日の勤務開始時刻(インターバルを計算する)
  • 実際に眠れた時間の目安(何時から何時まで)
  • 目覚めたときの体の状態(「スッキリ」「重い」「眠い」など一言)
  • 気分や体で気になったこと(「頭痛あり」「イライラした」「何もしたくない」など)

この記録は、Week2で職場の師長や産業医に相談するときの客観的な情報になります。「なんとなくつらい」を「勤務間隔が○時間しか取れていない日が週に○回ある」と数値で示せると、相談がしやすくなります。

#### STEP 2. 日中睡眠の環境を整える(夜勤明け・準夜明けに実践)

厚労省e-ヘルスネット(HM8)をもとに、日中睡眠の質を高める方法を整理します。

  • 遮光カーテン・アイマスク:日中の光は覚醒を促します。部屋をできるだけ暗くすることで、日中でも体が「夜」と感じやすい環境を作れます。
  • 耳栓・ホワイトノイズ:外の生活音や家族の音で目が覚める場合、耳栓やホワイトノイズアプリも選択肢になります。
  • 室温の調整:快適な睡眠のために、自分が眠りやすい室温に整えることが推奨されています(HM1)。具体的な「この温度が正解」という数値をここで示すことはしません。夏であれば冷房を活用し、冬は暖かさを確保するなど、自分が心地よいと感じる環境を試してください。
  • 帰宅後の光を意識する:夜勤明けの朝、帰宅途中の強い日光は体内時計を「今が朝」と認識させ、日中の睡眠を妨げる要因になります。サングラスの活用も一つの手段です(HM8)。

#### STEP 3. 入眠前30〜60分の過ごし方を変える

スマートフォンの画面(ブルーライトを含む強い光)は覚醒を促す方向に働くことがあります(HM1)。入眠前の時間は、画面から少し離れる・部屋の照明を落とすといった工夫を試してみてください。

サプリメント・栄養ドリンク・特定の飲み物について、「これを飲むと眠れる」「疲れが取れる」という断定はこの記事ではしません(薬機法上の理由によります)。疲労回復や睡眠の補助を目的とした商品については、必要であれば医師や薬剤師にご相談ください。

#### STEP 4. 「短い仮眠」を意識して取る

夜勤中や長い勤務時間中の仮眠は、作業効率低下の予防に役立つことが示されています(HM8)。職場で仮眠室・休憩室が利用できる場合は、可能な時間帯に短い仮眠を取ることを習慣化することを検討してみてください。仮眠時間の目安については、職場の状況や勤務時間帯によって異なるため、一律の「この分数が正解」という指定はできません。職場の制度として仮眠時間が設けられているかどうかも、Week2の確認項目として記録しておきましょう。

Week2(8〜14日目):記録をもとに少し変え、職場・相談先を確認する

#### STEP 5. 休日の「過ごし方の型」を一つ作る

丸一日寝て回復した感覚が得られない場合、回復の方法を試行錯誤する余地があります。睡眠の専門家や産業医への相談が最善ですが、まず自分でできることとして、休日の最初の睡眠後、一定の時刻に起きる習慣を試してみてください(HM1)。起き上がれたら日光を少し浴び、軽い食事を取る。短い散歩・ストレッチなど体を緩やかに動かすことを取り入れてみる、という「型」を一つ持つと、休養から次の勤務に向けて体が整いやすくなることがあります。

ただし、「体を動かすと回復する」と断言することはできません。体の状態によっては安静が最優先の場合もあります。この記事の内容はあくまで一般的な睡眠衛生の範囲であり、症状が続く場合は医療機関へ相談することが大切です。

#### STEP 6. 勤務表を客観的な基準で見直す

Week1の記録を手元に置き、自分の勤務表を以下の基準で確認してください。これは日本看護協会「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン(HM2)」と厚労省の勤務間インターバル制度(HM9)をもとにした確認項目です。

確認項目目安・基準出典
勤務と勤務の間(インターバル)11時間以上あることが望ましい日看協ガイドライン(HM2)
連続夜勤の回数2回までが望ましい日看協ガイドライン(HM2)
夜勤→準夜→深夜の方向正循環(日勤→準夜→深夜の順)が望ましい日看協ガイドライン(HM2)
夜勤専従の場合の月間夜勤時間月144時間以内を目安日看協ガイドライン(HM2)
勤務間インターバル制度の有無職場として導入しているか労働時間等設定改善法(HM9)

「自分の勤務表がこれに当てはまらない」という事実がわかれば、師長への相談や次のアクションを取りやすくなります。「つらいのは自分が弱いから」という思い込みから離れ、客観的な基準で評価することがこの確認の目的です。

#### STEP 7. 勤務調整・相談の準備をする

記録(STEP 1)と勤務表の確認(STEP 6)ができたら、次のステップに向けた準備をします。

  • 師長・主任への相談:「インターバルが○時間しか取れていない週が○回続いている」「連続夜勤が○回になっている」という具体的な事実を持って相談すると、感情的な訴えではなく条件の見直しとして話し合いやすくなります。
  • 産業医への相談:職場に産業医がいる場合(常時50人以上の職場は2015年から実施義務あり)、ストレスチェック・高ストレス判定後の面接指導を活用できます(HM3)。産業医は労働者の体調・就業環境の改善を会社側に働きかける立場にあります。
  • 記録の保存:相談の記録・勤務表・体調の記録はコピーを手元に残しておきましょう。後から確認・相談に使えます。

今の職場で確認したいこと

「疲れが取れない」状態が続いているなら、個人のセルフケアだけでなく、職場の勤務体制・環境の側面を確認することが重要です。以下は、今いる職場で確認できる具体的な項目です。

勤務表の編成基準を確認する

日本看護協会のガイドライン(HM2)は、病院内での実用的な基準として広く参照されています。自分の勤務表が次の基準を満たしているかどうかを確認してください。

  • 勤務間隔が11時間以上確保されているか
  • 連続する夜勤が2回以内に収まっているか
  • 正循環(日勤→準夜→深夜の方向)になっているか、それとも逆循環(深夜→準夜→日勤のような戻り方)が頻繁にあるか
  • 夜勤専従の場合、月の夜勤時間が144時間以内になっているか

これらを確認する際、「診療報酬上の夜勤負担軽減加算の評価要件として、これらの基準が取り入れられている(HM2)」という事実は、職場側にとっても無関係ではない基準だということを覚えておいてください。

勤務間インターバル制度が導入されているか確認する

2018年公布の働き方改革関連法による改正で、2019年4月から事業主の努力義務として勤務間インターバル制度が位置づけられています(HM9)。終業から次の始業まで一定時間以上の休息を確保する制度です。

自分の職場で「勤務間インターバルの制度がある」「何時間以上のインターバルを設定している」という方針があるかどうかを、就業規則や師長・人事部門に確認することができます。制度として明確にされていない場合でも、実態として確認・相談することは労働者の権利です。

夜勤中の仮眠環境を確認する

職場に仮眠室・休憩室があるか、また実際に夜勤中に仮眠を取る時間が確保されているかを確認してください(HM8)。仮眠室があっても実際には使えない雰囲気であったり、仮眠時間が設けられていても呼び出しが多く取れない状況であれば、その実態を記録しておくことが相談時の材料になります。

ストレスチェック・産業医の相談体制を確認する

常時50人以上の労働者がいる職場では、2015年12月から年1回のストレスチェックが義務化されています(HM3)。高ストレスと判定された場合、本人が希望すれば医師(産業医等)による面接指導を受けることができ、その結果を理由とした不利益取扱いは禁止されています。

まず自分の職場にストレスチェック・産業医・相談窓口があるかどうか、そしてそれを実際に利用できる雰囲気・制度になっているかを確認してください。

今の職場で変えられること・変えにくいこと

今の職場で確認・相談できること職場の構造上、変えにくいこと
勤務表の個別調整(インターバル・連続夜勤の回数)慢性的な人員不足(根本的解決には採用が必要)
仮眠室・休憩環境の整備状況の確認夜勤体制の形態(2交代・3交代の仕組み全体)
産業医・ストレスチェックの活用管理職の考え方・職場文化全体
有給休暇・特別休暇の取得申請診療報酬上の夜勤人員配置基準の制約

「今いる職場で改善できるかどうか」を確認することが先です。確認した上でなお構造的に変わらない部分がある場合に、次のステップとして転職の検討が入ってきます。

転職で解決しやすいこと・しにくいこと

「転職すれば疲れが取れる」という断定はできません。転職先でも同じ問題が起きることがあり、転職の過程で一時的に負荷が増えることもあります。一方で、職場の勤務体制や環境を変えることで疲労が軽減する場合は、確かにあります。期待値を整理した上で判断してください。

転職で変えやすいこと

  • 夜勤の回数・形態:2交代・3交代・夜勤なしを選べる職場の幅は広い。夜勤なし・回数を減らした求人を条件として探すことができる。
  • 勤務間インターバルの実態:職場によって実際の運用が異なる。面接・見学で「連続夜勤は何回まで」「夜勤明けの次の勤務まで何時間空けているか」を確認できる。
  • 仮眠環境:夜勤中の仮眠室・休憩室の整備状況は職場差が大きい。
  • 残業の文化・時間外の発生状況:求人票の残業時間は参考値。面接時に「月平均の残業は何時間か」「夜勤明けの残業はどれくらいか」を聞くことで実態を把握できる。

転職で変えにくいこと・注意が必要なこと

  • 看護師という仕事の本質的な身体的・精神的負荷:患者への責任、急変対応、感情労働の側面は職場を変えても共通して存在する。
  • 自分の睡眠特性・体の疲れやすさ:夜型・朝型など概日リズムの個人差は、環境を変えても基本的に変わらない。
  • 転職直後の慣れる負担:新しい職場・ルール・人間関係への適応には一定のエネルギーが必要。転職直後が一番つらいという時期がある。
  • 今の疲弊の程度が深刻な場合:疲弊が限界に近いまま転職活動を行うと、判断力が落ちた状態で職場選びをすることになる。その場合は、まず休養・受診が先。

転職を検討する前に、「今の職場の勤務条件を具体的に改善できないか」を師長・産業医に確認することが先決です。確認した上で、構造的に変わらないと判断した場合に転職の比較検討を進めてください。

転職の具体的な判断軸については、職場を変えるか、看護師を続けるかで迷ったときもあわせて読んでみてください。

疲れが続くとき・つらいときの相談先

「疲れが取れない」が長く続く場合、または気持ちのつらさ・眠れない状態・気力の低下が重なる場合は、一人で抱えず相談することが大切です。この記事は医学的な診断を行うものではありません。以下は公的な相談窓口と医療機関への相談の入口です。

こころの耳(厚生労働省)

働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト。電話・SNS(LINE)・メールで相談できます。

  • 電話:0120-565-455(無料・匿名)
  • 受付時間:平日17:00〜22:00、土日10:00〜16:00
  • SNS相談・メール相談:24時間受付(時間帯により異なる)
  • サイト:https://kokoro.mhlw.go.jp/

「つらいけど誰に話せばいいかわからない」「病院に行くほどでもないかも…」という状況でも使える窓口です。

職場の産業医・産業保健スタッフ

常時50人以上の職場では産業医の選任が義務づけられています(HM3)。産業医は労働者の健康管理の専門家であり、疲労・ストレス・体調不良の相談を受けることができます。ストレスチェックで高ストレスと判定された場合は、本人が希望すれば面接指導を受けることができ、就業環境の改善につなげることができます(HM3)。

かかりつけ医・精神科・心療内科

  • 「眠れない・眠っても疲れが取れない」が2〜3週間以上続く場合
  • 気分の落ち込み・涙が止まらない・何も楽しめない状態が続く場合
  • 仕事中に集中できない・ミスが増えた・体に不調がある場合

これらの状態が続く場合は、精神科・心療内科・かかりつけ医への受診を検討してください。「受診するほどではない」と判断するのは、必ずしも自分一人で行う必要はありません。

この記事のチェックリストや読んでの自己評価は、「受診・相談の目安」として使うものであり、医学的な診断を行うものではありません。

緊急の場合

「消えてしまいたい」「死にたい」という気持ちが浮かぶ場合は、地域の救急窓口・いのちに関わる相談窓口に連絡してください。一人で抱えず、今すぐ助けを求めてください。

労働条件・勤務の問題を相談したい場合

総合労働相談コーナー(厚労省・都道府県労働局):全国378か所で、解雇・退職・労働条件・いじめ嫌がらせなどを無料で相談できます(予約不要)。 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html

よくある質問

Q1. 夜勤明けに帰ってもなかなか眠れません。何か問題があるのでしょうか?

夜勤後に日中の光や生活音で眠れない・眠りが浅いのは、交代勤務者に多く見られる状態です。これは意志の問題ではなく、体内時計が「昼間は起きる時間」と認識していることと関連しています(HM8)。遮光カーテン・アイマスク・耳栓などの環境整備が一助になることがあります。こうした工夫をしても2〜3週間以上改善しない場合は、睡眠外来・医療機関への相談を検討してください。この記事の情報は一般的な睡眠衛生の範囲であり、医学的な診断・治療の代わりにはなりません。

Q2. 「勤務間隔11時間以上」という基準は、すべての病院に義務として課されているのですか?

義務ではなく、日本看護協会のガイドライン(HM2)が「望ましい」とした基準です。ただし、2016年の診療報酬改定で夜勤負担軽減に関する評価項目として取り入れられており、多くの病院が参照する目安になっています。また、勤務間インターバル制度(HM9)は2019年4月から事業主の努力義務になっています。「义務ではないから関係ない」ではなく、「自分の体を守る基準として確認できる」と活用してください。

Q3. 夜勤が続いて疲れているのは分かるのですが、師長に相談しにくいです。どう切り出せばいいですか?

感情的な訴えよりも、事実を示す形で切り出すと相談しやすくなります。「先週は勤務間隔が○時間の日が○回ありました。日本看護協会のガイドラインでは11時間以上が望ましいとされていますが、体調面への影響が出てきています。勤務の組み方について相談させてください」という形が一例です。Week1の「疲れノート」の記録(STEP 1)が、この相談の材料として使えます。

Q4. 転職で夜勤の負担を減らすことはできますか?

夜勤回数・形態(2交代・3交代・夜勤なし)は職場によって異なり、転職によって自分に合った勤務体制の職場を選ぶことは可能です。ただし、転職が即座に「疲れが取れない」を解決するとは限りません。新しい職場への適応にはエネルギーが必要であり、疲労が深刻な状態での転職活動は判断力が落ちやすいこともあります。まずは今の職場での条件改善を試みてから、転職の検討に入ることをおすすめします。

Q5. 休日を丸一日寝て過ごしても疲れが取れません。寝すぎているのでしょうか?

「寝すぎ」が直接の問題とは言い切れません。睡眠の質(睡眠休養感)が低い状態では、時間を長く取っても休んだ感覚が得られにくいことがあります(HM1)。また、体内時計が大きくずれた状態で「丸一日寝る→次の勤務で夜勤」というサイクルが続くと、リズムが整いにくい面もあります。まず睡眠環境(遮光・騒音対策)を見直しつつ、2〜3週間以上改善しない場合は医療機関への相談を検討してください。

Q6. 「バーンアウト」という言葉を聞くのですが、自分に当てはまるか心配です。

WHO(世界保健機関)は、バーンアウトを「うまく管理されなかった慢性的な職場ストレスから生じる症候群」として、①消耗感・エネルギーの枯渇、②仕事への心理的距離・冷笑的な気持ち、③職務効力感の低下という3つの側面で概念化しています(HM7)。ただし、ICD-11ではバーンアウトは「職業上の現象」として分類されており、それ自体は医学的診断名ではないと明記されています。この記事で「あなたはバーンアウトです」という診断は行いません。こうした感覚が続いているなら、産業医・医療機関・こころの耳に相談することが大切です。

Q7. 「こころの耳」は、精神的な問題がある人だけが使う窓口ですか?

そうではありません。「なんとなくしんどい」「疲れているけど誰に話せばいいかわからない」という状態でも相談できます。深刻な状態になる前に使える相談窓口として厚労省が設けているもので、匿名・無料で利用できます(電話:0120-565-455、平日17:00〜22:00・土日10:00〜16:00)(HM10)。「大げさかも」と思わず、気軽に使ってください。

参考資料

  1. 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」

https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf

  1. 日本看護協会「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」(2013年)

https://www.nurse.or.jp/nursing/home/publication/pdf/guideline/yakin_guideline.pdf

  1. 厚生労働省e-ヘルスネット「交代勤務睡眠障害」

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/keywords/shift-work-sleep-disorder

  1. 厚生労働省「働き方・休み方改善ポータルサイト 勤務間インターバル制度」

https://work-holiday.mhlw.go.jp/interval/

  1. 厚生労働省「ストレスチェック制度・メンタルヘルス対策」

https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/index.html

  1. 日本看護協会「2024年病院看護実態調査報告書」

https://www.nurse.or.jp/nursing/assets/101.pdf

  1. 日本看護協会「2025年看護職員実態調査」

https://www.nurse.or.jp/nursing/assets/103.pdf

  1. 厚生労働省「こころの耳 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト」

https://kokoro.mhlw.go.jp/

  1. WHO「Burn-out an "occupational phenomenon": ICD-11」

https://www.who.int/news/item/28-05-2019-burn-out-an-occupational-phenomenon-international-classification-of-diseases

次のアクション

疲れを回復させるために、一人で考え込まずに使えるサービス・相談窓口をまとめます。

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