患者さんやご家族の言葉が、勤務後も頭から離れない
ナースステーションに戻っても、家に帰っても、日勤帯に浴びせられた言葉が耳から離れない。「あなたじゃ話にならない」「責任者を出せ」「訴えるからな」。そう言われた場面を何度も思い返して、自分の対応のどこが悪かったのかと眠れなくなる。そんな夜を過ごしている看護師さんは、決して少なくありません。
患者さんやご家族からのクレーム・苦情への対応は、看護の仕事のなかでも特に気持ちを削られる場面です。点滴や処置のように手順書があるわけではなく、相手の感情が絡み、しかも相手は病気や不安を抱えた当事者です。正面から受け止めようとするほど、自分を責めてしまいます。
ここで最初にお伝えしたいのは、クレーム対応は看護師個人の人間力や我慢で乗り切るものではなく、職場の仕組みとチームで支えるべきものだということです。一人で受け止め、一人で抱え込み、一人で傷つく状態が続いているなら、それは個人の問題ではなく、職場の体制の問題である可能性が高いと考えられます。
厚生労働省は、医療現場や訪問看護の現場での暴力・ハラスメントへの対策を進めており、スタッフと管理者の双方が学ぶ教材や、訪問先での安全を確保する防犯機器の整備支援を案内しています(出典:厚生労働省「医療現場及び訪問看護における暴力・ハラスメント対策について」)。つまり、患者さんやご家族からの言動で看護師が傷つくことは、国の施策としても「個人で耐えるべきもの」ではなく「組織で守るべきもの」と位置づけられているということです。
この記事では、つらいクレーム対応に向き合う看護師さんに向けて、正当な苦情と不当な要求の線引き、一人で抱えないための具体的な行動、今の職場で確認すべきこと、そして転職で変えやすいこと・変えにくいことを、現場目線で整理していきます。
要点まとめ
この記事は、患者さんやご家族からのクレーム・苦情対応で気持ちが疲れている看護師さん向けに書いています。
- クレーム対応は個人の力量ではなく、職場の仕組み・チーム・相談窓口で支えるものとして整理する
- 「正当な苦情」と「不当な要求・カスタマーハラスメント」を切り分け、後者は一人で対応しない
- 起きたことを記録に残す、複数名で対応する、管理者・組織に報告するという3つを基本動作にする
- 今の職場で確認すべきこと(対応マニュアル・相談窓口・記録の運用)と、転職で変えやすいこと・変えにくいことを分けて考える
- 看取りや急変対応のあとと同じく、クレーム後の心理的負担は一人で抱えず、職場や外部の相談窓口を使う
読後には、「自分の対応が悪かった」と自分だけを責める状態から、「この職場はクレームをどう扱う仕組みになっているか」を確認する視点に切り替えられるようになります。
こんな悩みを持つ看護師さんへ
次のような状況に心当たりがある方に、この記事は向いています。
- 患者さんやご家族から強い口調で責められ、勤務後も言葉が頭から離れない
- 「責任者を出せ」「訴える」と言われた場面を一人で抱え、誰にも相談できていない
- 自分の説明や対応が悪かったのではないかと、何度も思い返して落ち込む
- 同じ患者さん・ご家族から繰り返し理不尽な要求をされ、出勤がつらくなっている
- クレームが起きたとき、上司や先輩が出てこず、現場の自分だけで対応させられている
- 「患者さんの言うことだから我慢して」と職場で言われ、もやもやしている
クレーム対応のつらさは、外から見えにくく、評価もされにくい負担です。処置のミスのように記録に残るわけではなく、「対応が上手な人」として黙って引き受けてしまう看護師さんほど、負担が集中しがちです。だからこそ、自分の感じている「つらさ」を、職場の体制の問題として一度言語化してみることが大切です。
なぜこの悩みが生まれるのか
患者さんやご家族からのクレームがつらく感じられる背景には、看護という仕事の構造的な事情がいくつも重なっています。
第一に、相手が不安や苦痛を抱えた当事者だという点です。病気やケガ、入院、手術、看取りの局面では、患者さんもご家族も平常心ではいられません。待たされた、説明が足りなかった、思っていた治療と違った。そうした不満が、その場にいる看護師に向けられやすくなります。看護師は患者さんと最も長く接する職種であるため、医療全体への不満の受け皿になりやすい立場にあります。
第二に、正当な苦情と不当な要求の境目が曖昧なことです。「もっと早く来てほしかった」という訴えは、改善につなげるべき正当な苦情かもしれません。一方で、「土下座しろ」「24時間つきっきりで看ろ」といった要求は、社会通念上、応じられない不当な要求です。この線引きが現場で共有されていないと、看護師はすべてを「自分が至らなかった」と受け止めてしまいます。
厚生労働省の考え方を医療機関にあてはめると、カスタマーハラスメントは「患者または家族による妥当性を欠いた要求や、社会通念上不相当な言動(威圧、暴言、暴行、脅迫等)により、職員の就業環境が害されること」と整理されます(出典:厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」令和4年2月、および同省の対策事例ポータル)。つまり、すべての強い言葉を看護師が引き受ける必要はなく、線を引くべき言動があるということです。
第三に、職場の体制が個人任せになっていることです。クレームが起きたときに誰に報告するのか、どこまで現場で対応しどこから管理者や相談窓口に引き継ぐのか、記録はどう残すのか。こうしたルールが整備されていない職場では、たまたまその場にいた看護師が一人で全部を背負うことになります。対応を誤ると、担当した職員がメンタルヘルスに不調をきたしたり、身体的な危害を受けたりする恐れがあると、厚生労働省の資料でも指摘されています。
これらの事情が重なるため、クレーム対応のつらさは「あなたの心が弱いから」でも「対応が下手だから」でもありません。仕組みで支えられていない環境に置かれていることが、つらさの正体であることが多いのです。
「正当な苦情」と「不当な要求」を切り分ける
つらさを軽くする最初の一歩は、目の前で起きていることを「正当な苦情」と「不当な要求」に切り分ける視点を持つことです。すべてを同じ重さで受け止めようとするから、心が削られていきます。
正当な苦情とは、サービスや対応の改善につなげられる訴えです。「ナースコールを押したのに来てもらえなかった」「説明が分かりにくかった」「待たされた理由を教えてほしい」。こうした訴えは、その背景に不安や不便があり、聞き取って改善に活かす価値があります。看護師として真摯に受け止め、必要なら謝意を伝え、チームや管理者と共有して再発を防ぐ。これは看護の質を高める前向きな対応です。
一方、不当な要求とは、社会通念に照らして応じられない要求や、威圧・暴言・暴行・脅迫を伴う言動です。「土下座しろ」「24時間つきっきりで看ろ」「個人的に連絡先を教えろ」「金を出せ」といった要求や、人格を否定する暴言、身体への攻撃、執拗な長時間拘束などがこれにあたります。こうした言動は、看護師個人が我慢して受け止めるものではなく、組織として線を引き、対応を引き継ぐべきものです。
ただし、現場でこの線引きを一人で確定させる必要はありません。判断に迷う言動は「迷ったらチームで共有する」が原則です。線を引くのはあくまで組織であり、看護師個人ではありません。自分の中に「これは改善すべき苦情」「これは応じられない要求かもしれない」という二つの引き出しを持っておくだけでも、すべてを抱え込む状態から抜け出しやすくなります。
患者さんやご家族の側に立てば、強い言葉の裏に「不安をわかってほしい」「大切な家族を粗末に扱われたくない」という気持ちが隠れていることもあります。だからといって暴言や脅迫が許されるわけではありませんが、最初から相手を「クレーマー」と決めつけるのではなく、訴えの中身を一度仕分ける姿勢が、看護師自身の心も守ります。
今すぐ確認したいポイント
つらいクレーム対応に向き合うとき、まず確認したいのは「自分が今、一人で抱えていないか」という点です。次のポイントを自分の状況に当てはめてみてください。
- 起きたクレームの内容を、いつ・誰が・何を言ったかメモに残しているか
- そのクレームを、上司・主任・管理者に報告できているか
- 強い言動を受けたとき、その場で応援を呼べる体制があるか
- 「正当な苦情」なのか「不当な要求」なのかを、自分一人で判断していないか
- 職場にクレーム・苦情対応のマニュアルや相談窓口があるか、その存在を知っているか
- 同じ患者さん・ご家族から繰り返し要求されている場合、それをチームで共有できているか
このうち一つでも「できていない」「分からない」があれば、それは今すぐ手をつけられる改善点です。特に「記録を残す」「報告する」「複数で対応する」の3つは、明日からでも始められる基本動作です。
なお、その場で身の危険を感じるような暴言・暴力・脅迫を受けたときは、自分一人で対処しようとせず、その場を離れて応援を呼ぶ、管理者に即時報告する、必要に応じて施設の定める手順(警備・警察への連絡を含む)に従うことが原則です。具体的にどこへどう連絡するかは、施設のマニュアルや管理者の指示に従ってください。
解決のための3ステップ
クレーム対応のつらさを「個人の問題」から「仕組みの問題」へと置き換えていくために、次の3ステップで考えてみてください。
ステップ1:起きたことを記録に残す
クレームを受けたら、その日のうちに、いつ・どこで・誰が・どのような言動をしたか、自分はどう対応したかを、できるだけ事実ベースで記録します。感情的な解釈ではなく、「○時頃、○○さんが『○○』と発言」のように、後から第三者が読んで状況がわかる形で残すことが大切です。
記録は、自分を守る材料であると同時に、職場が組織として対応するための土台になります。厚生労働省のカスタマーハラスメント対策でも、院内での情報共有や記録化が組織的対応の柱として挙げられています。記録が残っていれば、繰り返される要求のパターンも見えてきますし、管理者が動く根拠にもなります。
ステップ2:一人で判断せず、複数・組織で対応する
「正当な苦情か、不当な要求か」を、その場で看護師一人が判断する必要はありません。判断に迷う言動、強い言動、繰り返される要求は、主任・看護師長・医療安全担当・相談窓口へ報告し、組織として方針を決めるのが原則です。
厚生労働省の対策では、複数名で対応すること、対応する担当部署を設けること、相談窓口を設置することが有効とされています。一人で対応し続けると、相手の要求がエスカレートしたときに歯止めがきかず、対応した職員自身が追い詰められます。「対応がうまい人」が一人で抱えるのではなく、チームで分担し、必要なら上位者に引き継ぐ。これが組織的対応の基本です。
ステップ3:自分の心理的負担をケアする
強い言葉を浴びた後、気持ちが沈むのは自然な反応です。「これくらいで落ち込む自分が情けない」と感じる必要はありません。クレーム対応の後こそ、自分の心理的負担をケアする時間を意識的に取ってください。
職場に同僚や先輩がいるなら、起きたことを話して整理する。職場で話しにくければ、外部の相談窓口を使う。後述する「こころの耳」のような窓口は、誰にも言えない仕事のつらさを話せる場所です。心理的負担を一人で溜め込むと、出勤そのものがつらくなり、離職や体調不良につながります。
クレーム対応の後に気持ちを立て直すうえで覚えておきたいのは、「相手の言葉のすべてが事実ではない」という点です。強い感情のなかで発せられた言葉には、誇張や八つ当たりが含まれることがあります。その場で浴びた言葉を一語一句、自分への正当な評価として受け取る必要はありません。記録に残すのは事実、振り返って改善するのは自分の対応のうち改善できる部分、そして手放してよいのは人格否定や理不尽な決めつけです。この三つを分けるだけでも、心の負担はかなり違ってきます。
また、つらさを話す相手は「アドバイスをくれる人」である必要はありません。ただ聞いてもらうだけでも、頭の中で堂々巡りしていた出来事が整理され、客観視できるようになります。話す相手がいないと感じるときこそ、後述する相談窓口の出番です。
今の職場で改善するルート
クレーム対応のつらさは、転職しなくても今の職場で改善できる部分があります。まず確認・相談したいのは次の点です。
- クレーム・苦情対応のマニュアルが整備されているか。どこから管理者や相談窓口に引き継ぐかの基準があるか
- 記録の様式とルールがあるか。インシデント報告と同じように、迷惑行為・暴言を記録する仕組みがあるか
- 相談窓口・担当部署が院内にあるか。患者相談窓口、医療安全管理部門、ハラスメント相談窓口など
- 強い言動を受けたときにその場で応援を呼べる体制(応援要請のルール、防犯ブザーなど)があるか
- 訪問看護の場合、訪問先での安全確保の備え(位置検索・緊急呼び出し機能付き防犯ブザー、防犯ボタン付き携帯電話など)があるか
訪問看護の現場については、厚生労働省が防犯機器の整備を案内し、地域医療介護総合確保基金による補助の対象としています(出典:厚生労働省「医療現場及び訪問看護における暴力・ハラスメント対策について」)。「うちのステーションは何も備えがない」と感じたら、管理者にこうした制度の存在を共有してみるのも一つの行動です。
これらが整っていない場合、看護師長や医療安全担当に「クレーム対応のルールを明文化してほしい」「記録の様式を作ってほしい」と提案することが、自分だけでなく後輩を守ることにもつながります。一人の声で動かない場合は、安全衛生委員会や労働組合など、組織的なルートを使うことも検討できます。
提案するときは、「つらいから何とかしてほしい」という感情だけでなく、これまで記録してきた事実を添えると伝わりやすくなります。「この三か月で同じ患者さんから○回、対応を一人で求められた」「強い言動を受けた場面で応援を呼ぶ手段がなかった」といった具体的な事実は、管理者が組織として動く根拠になります。記録を残すこと(ステップ1)が、ここでも効いてきます。改善は一度の申し出では進まないこともありますが、声を上げた事実と記録が積み重なることで、職場の体制は少しずつ変わっていきます。
転職で解決しやすいこと・しにくいこと
クレーム対応のつらさが「職場の体制」に根ざしている場合、職場を変えることで楽になる部分があります。一方で、職場を変えても残る部分もあります。両者を分けて考えることが、後悔しない判断につながります。
転職で解決しやすいこと
- 対応マニュアルや相談窓口が整備された職場へ移ること。クレームを組織で扱う文化があるかは、職場ごとに大きく異なります
- 強い言動に対して管理者がきちんと前に出る職場を選ぶこと。現場任せにしない管理体制は変えられます
- 記録・報告の仕組みが機能している職場を選ぶこと
- 患者層・診療科を変えることで、クレームの頻度や性質が変わる場合があること(救急外来と療養病棟では負担の質が異なります)
転職で解決しにくいこと
- 患者さんやご家族が不安や苦痛を抱えた当事者であるという、看護の仕事の本質的な側面は、どの職場でも変わらないこと
- 「クレームをゼロにできる職場」は存在しないこと。減らせるのは頻度や、一人で抱える構造であって、ゼロではないこと
- 自分の心理的負担への向き合い方は、職場を変えても自分で取り組む必要が残ること
- 給与や勤務条件を優先して選ぶと、対応体制の良し悪しを見落としやすいこと
転職を考える場合は、求人票の条件だけでなく、「患者さん・ご家族からの迷惑行為にどう対応する体制があるか」「相談窓口やマニュアルはあるか」を、面接や見学で確認することが大切です。これは外からは見えにくい情報なので、確認の質が職場選びの満足度を左右します。
つらさを一人で抱えないための相談先
クレーム対応のつらさは、職場の同僚にも家族にも話しにくく、一人で溜め込みがちです。気持ちが限界に近いと感じたら、外部の相談窓口を使ってください。
働く人のメンタルヘルスを支える「こころの耳電話相談」は、厚生労働省の委託事業として運営されている無料の電話相談です。
- 電話番号:0120-565-455(フリーダイヤル)
- 受付時間:平日(月〜金)17:00〜22:00、土日10:00〜16:00(祝日・振替休日・年末年始12/29〜1/3を除く)
- 対象:働く方やそのご家族、企業の人事労務担当者
- 相談内容:こころの悩み、人間関係や仕事の悩み、過重労働などによる心の健康への影響など
なお、2026年1月から発信者番号を非通知ではかけられなくなりました。非通知設定の場合は番号の前に「186」を付けてかけてください(出典:厚生労働省「こころの耳」働く人の「こころの耳電話相談」)。
職場の同僚にも、看護師専用の匿名相談「カンゴさん」にも、まずは話して整理することができます。誰かに話すことは、弱さではなく、つらさを抱え込まないための具体的な行動です。
まとめ
患者さんやご家族からのクレーム対応は、看護のなかでも特に気持ちを削られる場面ですが、それは看護師個人の力量や我慢で乗り切るものではありません。
- 起きたことを記録に残す
- 一人で判断せず、複数・組織で対応する
- クレーム後の心理的負担を一人で抱えない
この3つを基本動作にすることで、つらさを「個人の問題」から「仕組みで支えるもの」へと置き換えられます。
そのうえで、今の職場の対応体制(マニュアル・相談窓口・記録の運用・応援要請の仕組み)を確認し、改善を提案する。それでも体制が変わらず、現場任せが続くなら、対応体制の整った職場を選ぶという選択肢もあります。大切なのは、勢いで辞めることではなく、つらさの原因が「自分」なのか「職場の仕組み」なのかを切り分けることです。
まずは、最近つらかったクレームの場面を一つ、いつ・誰が・何を言ったかメモに書き出し、信頼できる上司か相談窓口に共有することから始めてみてください。
よくある質問
患者さんからのクレームは、すべて自分が我慢して受け止めるべきですか?
いいえ。改善につなげるべき正当な苦情と、社会通念上応じられない不当な要求は分けて考えます。威圧・暴言・暴行・脅迫を伴う言動は、看護師一人で受け止めるものではなく、管理者や相談窓口に報告し、組織として対応すべきものです。
「責任者を出せ」と言われたら、自分で対応し続けるべきですか?
責任者を求められた時点で、無理に一人で対応を続ける必要はありません。主任や看護師長など上位者に引き継ぐことは、対応からの逃げではなく、組織的対応の正しい手順です。引き継ぐためにも、それまでのやり取りを記録しておくと役立ちます。
クレームの記録は、どこまで詳しく残せばいいですか?
後から第三者が読んで状況がわかる程度に、事実ベースで残すのが基本です。いつ・どこで・誰が・どのような言動をしたか、自分はどう対応したかを、感情的な解釈を交えず記録します。施設にインシデント報告や迷惑行為の記録様式があれば、それに沿って残してください。
上司に報告しても「我慢して」と言われます。どうすればいいですか?
直属の上司が動かない場合は、医療安全管理部門、患者相談窓口、ハラスメント相談窓口、安全衛生委員会など、別のルートを使うことを検討します。記録が残っていれば、組織が動く根拠になります。それでも体制が変わらない職場は、対応体制の整った職場への転職も選択肢です。
自分の対応が悪かったからクレームになったのでは、と落ち込みます。
説明不足や行き違いが原因の苦情もありますが、それは振り返って改善すればよいことで、人格を否定されたり身の危険を感じたりするほどの言動を受ける理由にはなりません。改善すべき点と、受け止める必要のない言動は分けて考えてください。落ち込みが続くなら、相談窓口を使うことをためらわないでください。
訪問看護でクレームや迷惑行為に遭ったとき、何ができますか?
訪問先では一人になりやすいため、まず安全の確保が優先です。厚生労働省は位置検索・緊急呼び出し機能付き防犯ブザーや防犯ボタン付き携帯電話などの整備を案内し、地域医療介護総合確保基金による補助の対象としています。備えがない場合は管理者に制度の存在を共有し、整備を相談してください。
クレーム対応のつらさで眠れません。病院をすぐ辞めるべきですか?
すぐに辞める前に、つらさの原因が「職場の仕組み」なのか「自分の働き方」なのかを切り分けることをおすすめします。記録・報告・複数対応を試し、相談窓口を使ったうえで、それでも現場任せが続くなら転職を検討する。心理的負担が強いときは、こころの耳などの窓口に先に相談して気持ちを整理すると、判断がぶれにくくなります。
同じ患者さん・家族から繰り返し理不尽な要求をされています。
繰り返される要求は、一人で抱えず必ずチームで共有し、記録に残してください。パターンが見えれば、管理者が組織として対応方針を決める根拠になります。複数名での対応、対応窓口の一本化など、個人ではなく組織の対応に切り替えることが、エスカレートを防ぐ鍵になります。
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