採用は紹介会社頼み、手数料は年々重くなっていく
看護師の採用は、気づけば紹介会社経由ばかりになっている。1人採用するたびに、年収の何割もの手数料を払う。やっと採用しても早期に辞めてしまうと、手数料が実質的に無駄になる。自院で求人を出しても応募が来ないから、結局また紹介会社に頼る——。このサイクルから抜け出せず、採用コストが経営を圧迫している事務長・経営者は少なくありません。
紹介会社は、母集団の形成が難しい看護師採用において有効な手段です。一方で、手数料負担の重さや、不適切な事業者をめぐる問題も指摘されてきました。大切なのは、紹介会社を「悪」と決めつけることでも、「頼れば何とかなる」と依存し続けることでもなく、手数料の仕組みと規制を正確に理解したうえで、適正に使い、依存度を見直すことです。
この記事は、紹介会社費用の負担に悩む事務長・経営者の方に向けて、紹介手数料の仕組みとお祝い金規制の正確な理解、依存を見直す具体的な方法、無料のナースセンターなど代替経路の使い方を、中立的な立場で整理します。読者は採用・経営側を想定しているため、特定の紹介会社を推すことはせず、手数料や規制は厚生労働省の指針に沿って正確に、断定を避けて解説します。
要点まとめ
- 有料職業紹介の手数料は、原則として求人者(採用する側)が負担し、看護師などの求職者は原則無料。手数料には上限制と届出制があり、額は事業者ごとに異なる。
- 上限制手数料は賃金額の100分の11.0(免税事業者は100分の10.3)が上限。多くの事業者は届出制を採用しており、医療分野の手数料水準は事業者・契約により異なるため、相場の断定は避けるべき。
- 就職お祝い金の提供や採用後の転職勧奨は、職業安定法の指針改正で禁止され、職業紹介事業の許可条件にも追加された。紹介会社の適正利用には、こうした規制の理解が前提となる。
- 厚生労働省は「医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定制度」を設けており、認定の有無や手数料の透明性が、事業者選びの判断材料になる。
- 依存を見直すには、無料のナースセンター・eナースセンター、自院サイトでの発信、定着率の改善など、紹介会社以外の手段を併用することが現実的。
- 手数料や契約の妥当性、労務にまたがる個別判断は、社会保険労務士や労働局に相談する。
こんな課題を持つ採用・経営の方へ
次のような状況に心当たりがある事務長・経営者の方は、紹介会社との付き合い方を一度見直す価値があります。
- 採用がほぼ紹介会社経由になっている
- 紹介手数料の年間総額が経営を圧迫している
- 紹介会社経由で採用した人が早期に辞め、手数料が無駄になった
- 複数の紹介会社から営業があり、対応に追われている
- 手数料の妥当性や契約内容を、よく分からないまま受け入れている
- お祝い金や転職勧奨をめぐる規制の話を聞いたが、自院に関係があるのか分からない
これらの課題に共通するのは、「紹介会社に頼る以外の採用手段が育っていない」という構造です。紹介会社は便利な反面、依存度が高まるほど、手数料という形で採用コストが固定化します。紹介会社をうまく使いつつ、依存度を下げて自院の採用力を育てることが、中長期の経営安定につながります。
医療機関の収入は診療報酬という公定価格に基づくため、人件費以外のコストである紹介手数料がかさむと、その分が経営を圧迫します。さらに、紹介手数料の高騰が職員の処遇改善の原資を奪っているという指摘もあります。つまり、紹介会社費用を見直すことは、単なるコスト削減にとどまらず、職員の待遇改善や、ひいては定着・採用の好循環にもつながりうる経営テーマです。「採用にかかるお金」を一つの固定費として諦めるのではなく、構造を理解して下げられる部分を探すことが、経営の余力を生みます。
なぜこの課題が生まれるのか
紹介会社への依存が生まれる背景には、看護師採用の難しさと、紹介会社の仕組みがあります。
看護師は構造的に不足している
厚生労働省「看護職員需給分科会 中間とりまとめ」(概要版)では、2025年の看護職員の需要推計が188万〜202万人、供給推計が175万〜182万人程度と、需要が供給を上回る前提が示されています(出典:厚生労働省「看護職員需給分科会 中間とりまとめ」概要版)。看護分野は売り手市場が続き、自院で求人を出しても応募が集まりにくい状況があります。母集団の形成が難しいからこそ、求職者を抱える紹介会社に頼らざるを得ない、という構造が生まれます。
手数料は「成功報酬型」で発生する
有料職業紹介の手数料は、原則として求人者(採用する側)が負担します。看護師などの求職者は原則無料です(出典:厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領」)。手数料には、賃金額の100分の11.0(免税事業者は100分の10.3)を上限とする上限制手数料と、事業者が厚生労働大臣に届け出た手数料表に基づく届出制手数料があります。実際には届出制を採用する事業者が多く、採用が成立したときに手数料が発生する「成功報酬型」が一般的です。採用できれば確実に人が来る反面、採用するたびに手数料が発生するため、依存度が高いほど費用が積み上がります。
ここで注意したいのは、「上限制手数料の上限が賃金額の11.0%だから、紹介手数料も11.0%程度だろう」と早合点しないことです。上限制手数料と届出制手数料は別の枠組みで、医療分野では届出制を採用し、採用者の理論年収を算定基礎として手数料を設定する事業者が一般的です。その料率は事業者ごとに届出内容が異なり、上限制の11.0%とは別の水準になります。一律の相場を断定することはできないため、自院が契約している事業者の手数料表で、料率と算定基礎(何を基準に何パーセントか)を具体的に確認することが欠かせません。「年収の何割」という感覚だけで把握していると、実際の負担額を見誤ることがあります。
早期離職で手数料が無駄になる
成功報酬型ゆえに、採用が成立すれば手数料が発生しますが、その後すぐに辞められると、手数料に見合う成果が得られません。多くの紹介会社では早期離職時の返戻金(一定期間内の離職で手数料の一部が返金される)の取り決めがありますが、内容は契約により異なります。早期離職が続けば、返戻金があっても採用にかけた時間や現場負担は取り戻せません。定着率の低さが、紹介会社費用の負担をさらに重くするという関係があります。
返戻金の条件は契約書に細かく定められていることが多く、「離職時期が早いほど返金割合が高く、一定期間を過ぎると返金されない」といった段階設定が一般的です。日本看護協会の調査では、中途採用者の離職率が新卒より高い傾向が示されており(出典:日本看護協会「2024年 病院看護実態調査」結果)、紹介会社経由で採用した経験者ほど、受け入れ体制が手薄だと早期離職につながりやすい面があります。返戻金の有無に頼るのではなく、採用した人が定着するように受け入れを整えることが、結果的に手数料を「無駄にしない」最善策になります。
不適切な事業者をめぐる問題と規制強化
医療・介護分野では、過度な手数料や、お祝い金による求職勧奨、採用後の転職勧奨といった問題が指摘されてきました。これを受けて、職業安定法の指針改正により、就職お祝い金等の提供による求職勧奨や、就職後一定期間の転職勧奨が禁止され、これらが職業紹介事業の許可条件に追加されました(出典:厚生労働省「職業安定法に基づく省令及び指針の一部改正」)。紹介会社を使う側も、こうした規制を理解しておくことで、適正な事業者を見極めやすくなります。なお、これは紹介会社全体を否定するものではなく、適正に運用される事業者と、不適切な事業者を区別するための枠組みです。
特に問題視されてきたのが、お祝い金で求職者の転職を促し、採用後にまた別の職場へ転職を勧めることで、紹介手数料を繰り返し得るという行為です。これは医療機関に二重三重の負担を強いるだけでなく、看護師の頻繁な転職を助長し、医療現場の安定を損なうおそれがあります。だからこそ規制が強化されました。厚生労働省は、こうした不適切な行為への対策とあわせて、「医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定制度」を設け、手数料の公表など一定の基準を満たした事業者を認定しています(出典:厚生労働省「医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定制度」)。求人側としては、認定の有無や、お祝い金・転職勧奨に関する規制の順守状況を確認することで、長く付き合える適正な事業者を選びやすくなります。
今すぐ確認したいポイント
紹介会社との付き合い方を見直す前に、自院の現状を確認します。
- 採用経路の内訳:直近1〜2年の採用のうち、紹介会社経由が何割か。自院サイト・ナースセンター経由はあるか。
- 手数料の総額:紹介会社へ支払った手数料の年間総額と、採用1人あたりのコスト。
- 手数料の体系:契約している紹介会社の手数料が、上限制か届出制か。料率や算定基礎を把握しているか。
- 返戻金の条件:早期離職時の返戻金(返金)の取り決めがどうなっているか。
- 早期離職の状況:紹介会社経由で採用した人の早期離職がどれくらい起きているか。
- 事業者の適正性:契約している紹介会社が、お祝い金・転職勧奨をめぐる規制を順守しているか。適正な有料職業紹介事業者の認定を受けているか。
特に「手数料の体系」と「返戻金の条件」は、契約書に書かれているのに把握できていないことが多い項目です。料率や算定基礎、早期離職時の扱いを正確に理解することが、見直しの出発点になります。手数料や契約の妥当性に迷う場合は、社会保険労務士や労働局に相談してください。
解決のための3ステップ
ステップ1:紹介会社への依存度と契約内容を正確に把握する
まず、採用経路の内訳と手数料の年間総額を数字で把握します。紹介会社経由が何割か、1人あたりいくらかかっているかを可視化すると、依存度が見えてきます。あわせて、契約している紹介会社の手数料体系(上限制か届出制か、料率、算定基礎)と、早期離職時の返戻金の条件を契約書で確認します。「なんとなく払っている」状態から、「いくらを何のために払っているか」を理解する状態に変えることが、見直しの前提です。
ステップ2:紹介会社以外の採用経路を併用する
紹介会社を一気にやめる必要はありません。依存度を下げるには、無料のナースセンター・eナースセンターへの求人登録、自院サイトやSNSでの発信、知人・職員からの紹介(リファラル)など、紹介会社以外の経路を併用します。これらは手数料がかからないか、低コストで運用できます。複数の経路を持つことで、紹介会社一辺倒のときより採用コストの固定化を避けられます。求人票そのものの改善とあわせて取り組むと、自院経由の応募が増えやすくなります。
これらの代替経路は、すぐに紹介会社と同じ量の応募を生むわけではありません。自院サイトの発信や職員紹介の制度は、効果が出るまで時間がかかります。だからこそ、紹介会社を急にやめるのではなく、依存度を「徐々に」下げていく発想が現実的です。まず無料のナースセンターに登録し、並行して自院サイトに看護師の働く様子を載せ、職員に「知り合いの看護師がいたら紹介してほしい」と声をかける——こうした地道な積み重ねが、半年・1年と続けるうちに、紹介会社以外からの応募という形で実を結びます。代替経路が育ってくれば、紹介会社に払う手数料の総額を計画的に減らしていけます。短期の応募数だけで判断せず、中長期の採用基盤を作る投資として捉えることが大切です。
ステップ3:定着率を上げて採用の回数を減らす
紹介会社費用が重い根本原因は、採用の回数が多いことにあります。採用しても辞めてしまえば、また採用が必要になり、手数料が発生します。定着率を上げて離職そのものを減らせば、採用の回数が減り、紹介会社費用も自然に下がります。定着の取り組みは、医療勤務環境改善支援センターの無料支援を活用できます。「採用を増やす」より「辞めさせない」ほうが、紹介会社費用の削減には効くことが多いのです。
この視点は、紹介会社依存の議論で見落とされがちです。多くの職場は「どうやって安く採用するか」に目を向けますが、そもそも採用の必要が生じるのは、人が辞めるからです。年に何人も辞める職場では、いくら採用単価を下げても、総額の手数料は減りません。逆に、定着率が高い職場は採用の頻度自体が低いため、たとえ紹介会社を使っても、手数料の総額は抑えられます。紹介会社費用を「採用コストの問題」として捉えると見えにくいものが、「離職コストの問題」として捉え直すと、手をつけるべき場所がはっきりします。日々の勤務環境やコミュニケーションを整え、辞める理由を減らすことが、回り回って紹介会社費用の削減につながるのです。
自院で取り組めること
外部に頼る前に、事務長・経営者の判断で進められる見直しがあります。
- 採用経路の内訳と手数料の年間総額を可視化し、依存度を把握する。
- 契約している紹介会社の手数料体系(上限制・届出制、料率、算定基礎)と返戻金条件を契約書で確認する。
- 無料のナースセンター・eナースセンターに求人を登録し、紹介会社以外の経路を作る。
- 自院サイトやSNSで職場の様子を発信し、自院経由の応募を育てる。
- 職員からの紹介(リファラル)を制度として整え、低コストの採用経路にする。
- 求人票を改善し、自院経由でも応募が集まるようにする。
- 定着率を上げ、採用の回数そのものを減らす。
- 複数の紹介会社の手数料・返戻金条件・適正性を比較し、条件の良い事業者に絞る。
これらは、紹介会社を全否定するのではなく、依存度を下げて選択肢を増やす取り組みです。特に「採用経路の可視化」と「定着率の改善」は、紹介会社費用を中長期で下げる効果が大きい領域です。ただし、手数料や契約内容の妥当性、労務にまたがる判断は、社会保険労務士や労働局に確認しながら進めてください。
着手の順番としては、まず「採用経路の可視化」から始めるのが効果的です。現状を数字で把握しないまま「紹介会社費用が重い」と感じているだけでは、どこに手を打てばよいか分かりません。年間の手数料総額、紹介会社経由の採用割合、1人あたりのコスト、早期離職の状況を一覧にすると、問題の輪郭がはっきりします。そのうえで、無料経路の整備と定着率の改善を並行して進めます。複数の紹介会社と契約している場合は、手数料・返戻金条件・適正性を比較し、条件の良い事業者に絞ることも有効です。比較する際は、手数料の安さだけでなく、早期離職時の返戻金の手厚さや、お祝い金・転職勧奨に関する規制の順守状況も含めて総合的に判断してください。
外部の支援・専門家に頼れること
依存の見直しは、公的な無料支援や専門家を活用できます。
ナースセンター・eナースセンター(無料職業紹介)
「看護師等の人材確保の促進に関する法律」に基づく各都道府県のナースセンターは、手数料・報酬を受けずに無料で職業紹介を行っています。求人施設も無料で求人を登録でき、インターネット上の「eナースセンター」から募集を出せます(出典:日本看護協会「ナースセンターとは」)。離職した看護職への復職支援(届出制度「とどけるん」)も行っており、紹介会社の代替・補完となる無料の採用経路です。
医療勤務環境改善支援センター(各都道府県)
各都道府県に設置されている公的な支援機関で、医療労務管理アドバイザー(社会保険労務士)と医業経営アドバイザーが、勤務環境改善に取り組む医療機関の相談に専門的支援を無料で行います(出典:厚生労働省「いきいき働く医療機関サポートWeb」医療勤務環境改善支援センター)。定着率を上げて採用の回数を減らすことが、紹介会社費用の削減に直結します。
社会保険労務士・労働局
手数料の妥当性、契約内容、お祝い金・転職勧奨をめぐる規制の解釈、適正な事業者の見極めなど、個別判断は社会保険労務士や労働局に相談するのが安全です。厚生労働省は「医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定制度」を設けており(出典:厚生労働省「医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定制度」)、認定の有無も事業者選びの参考になります。
相談先の整理
紹介会社依存の見直しは、課題の性質に応じて相談先を使い分けると進めやすくなります。無料の採用経路はナースセンター・eナースセンター、定着率の改善は医療勤務環境改善支援センター、手数料・契約・規制の個別判断は社会保険労務士・労働局、というように分けて考えると、自院だけで抱え込まずに済みます。看護師がどんな経路で職場を探し、何を重視して選ぶのかを知りたいときは、はたらく看護師さんの相談ページも参考になります。
まとめ
紹介会社費用が重くなる背景には、看護師の構造的な不足と、成功報酬型で手数料が発生する仕組み、そして早期離職による費用の無駄があります。紹介会社は母集団形成が難しい看護師採用で有効な手段ですが、依存度が高まるほど採用コストが固定化します。
大切なのは、紹介会社を「悪」と決めつけることでも、「頼れば何とかなる」と依存し続けることでもありません。手数料の仕組み(求人者負担・求職者は原則無料、上限制と届出制)と、お祝い金・転職勧奨をめぐる規制を正確に理解したうえで、適正な事業者を選び、依存度を見直すことです。依存を下げるには、無料のナースセンター・eナースセンターの併用、自院サイトでの発信、求人票の改善、そして定着率の改善が現実的な手段です。「採用を増やす」より「辞めさせない」ほうが、紹介会社費用の削減には効きます。手数料や契約の妥当性に迷う場合は、社会保険労務士や労働局に相談しながら、自院の採用力を中長期で育てていきましょう。
紹介会社費用の見直しは、一度の判断で終わるものではなく、採用経路の多様化と定着率の改善を地道に続ける取り組みです。すぐに費用がゼロになるわけではありませんが、依存度を一段ずつ下げていけば、固定化していた採用コストに余力が生まれ、その余力を職員の処遇や勤務環境の改善に振り向けられます。それがさらに定着を促し、採用の頻度を下げる——という好循環を目指すことが、経営の安定につながります。
よくある質問
紹介手数料は誰が負担するのですか?
有料職業紹介の手数料は、原則として求人者(採用する側)が負担し、看護師などの求職者は原則無料です(出典:厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領」)。求職者から手数料を徴収できるのは、経営管理者・科学技術者・熟練技能者など限られた職業に限られ、看護師は対象外です。
紹介手数料の相場はどのくらいですか?
手数料には、賃金額の100分の11.0(免税事業者は100分の10.3)を上限とする上限制手数料と、事業者が届け出た手数料表に基づく届出制手数料があります。多くの事業者は届出制を採用しており、額は事業者・契約によって異なります。一律の相場を断定するのは難しいため、契約している事業者の料率と算定基礎を確認することが大切です。
お祝い金をもらえる紹介会社は使ってよいのですか?
就職お祝い金等の提供による求職勧奨や、就職後一定期間の転職勧奨は、職業安定法の指針改正で禁止され、職業紹介事業の許可条件にも追加されました(出典:厚生労働省「職業安定法に基づく省令及び指針の一部改正」)。お祝い金・転職勧奨をめぐる規制を順守しているかは、事業者の適正性を見極める一つの観点になります。判断に迷う場合は労働局に相談してください。
紹介会社を使うのはやめたほうがよいですか?
一概にやめたほうがよいとは言えません。紹介会社は母集団形成が難しい看護師採用で有効な手段です。問題は依存度が高まり手数料が固定化することなので、無料のナースセンターや自院での発信を併用し、依存度を下げることが現実的です。紹介会社を適正に使いつつ、選択肢を増やすという考え方が有効です。
早期離職した場合、手数料は返ってきますか?
多くの紹介会社では、一定期間内の早期離職時に手数料の一部が返金される返戻金の取り決めがありますが、内容は契約により異なります。返戻金があっても、採用にかけた時間や現場負担は取り戻せません。契約書で返戻金の条件を確認し、あわせて定着率を上げて早期離職そのものを減らすことが重要です。
無料で看護師を採用する方法はありますか?
各都道府県のナースセンターは、手数料・報酬を受けずに無料で職業紹介を行っており、求人施設も無料で求人を登録できます。インターネット上の「eナースセンター」からも募集を出せます(出典:日本看護協会「ナースセンターとは」)。紹介会社の代替・補完となる無料の採用経路として活用できます。
適正な紹介会社はどう見分ければよいですか?
厚生労働省は「医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定制度」を設けており、一定の基準を満たした事業者を認定しています(出典:厚生労働省「医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定制度」)。認定の有無、手数料体系の透明性、お祝い金・転職勧奨をめぐる規制の順守状況が、見極めの観点になります。
紹介会社費用を下げる一番効果的な方法は何ですか?
採用の回数そのものを減らすことが、最も効果的です。採用しても辞めてしまえば再び採用が必要になり、手数料が発生します。定着率を上げて離職を減らせば、採用の回数が減り、費用も下がります。定着の取り組みは、関連記事の看護師の定着率を上げる方法も参考にしてください。
参考資料
次のアクション
紹介会社費用が重いと感じたら、まず採用経路の内訳と手数料の年間総額を可視化し、依存度を把握してください。次に、契約している紹介会社の手数料体系と返戻金条件を契約書で確認し、無料のナースセンター・eナースセンターや自院での発信を併用して経路を増やします。そのうえで、定着率を上げて採用の回数そのものを減らすことが、紹介会社費用の削減には最も効きます。定着支援は医療勤務環境改善支援センター、手数料・契約・規制の判断は社会保険労務士や労働局に相談しましょう。看護師がどんな経路で職場を探すのかを知りたいときは、はたらく看護師さんの相談ページもご活用ください。