夜勤文庫はたらく看護師さんの物語3
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ナースステーション珍事記

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夜勤明けの脳は、財布の紐が切れている

読了 約4毎週水曜語り: カンゴさん(語り:桃井こむぎ)フィクション

夜勤明けの私は、なぜかドラッグストアで高級シャンプーを握っていた。

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しかも詰め替えではない。本体。さらに同じ香りのトリートメントまで持っている。

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勤務中は1円単位で節約を考えているのに、夜勤明けの脳は「今日はがんばったので実質無料」と言い出す。

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レジ前で正気に戻った。戻ったはずだった。

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なのに気づいたら、シャンプーとトリートメントと、なぜか小さい観葉植物まで買っていた。部屋に緑が必要だと思ったのだ。睡眠より先に。

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休憩室に寄ると、カンゴさんがそのレシートを見て言った。

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「こむぎちゃん、これは事件やな」

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夜勤明けの買い物かごには、その人が本当は欲しかったものが入っている。休み。香り。部屋に生きているもの。

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「夜勤明けの買いもんは、浪費とちゃう。生還祝いや」Xで引用

私は観葉植物に「師長」と名づけた。理由はない。ただ、水やりを忘れたら怒られそうだったからだ。

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その日の夕方、師長は元気だった。私も、少しだけ元気だった。

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